自然の風景の一部のような庭を作りたい。
ナチュラルガーデンにあこがれると、
- 季節の移ろいを身近に感じたい
- 農薬や化学薬品は使いたくない
- 草花が自然に生えているように見せたい
と思うようになりますね。
イギリスで始まった自然の風景のような庭づくりには、こうした特徴があります。
一方でナチュラルガーデンと聞くと、多くの方は雑貨使いが多い庭づくりを連想します。実はそれ、日本独自のスタイルだってご存知ですか?
- 手押し車など庭仕事を連想させる木製雑貨
- 壊れた足踏みミシンのようなアンティーク風の家具
- ブリキやアイアンの小物
「そうそう、ナチュラルガーデンってこんな感じ」って思いますよね?
この記事では、自然を模した本来のナチュラルガーデンと日本独自のスタイルには違いがあることを考慮に入れつつ、自分の庭を自然な雰囲気がするナチュラルガーデンに仕立てていくポイントをお伝えしていきます。
ナチュラルガーデンを作る3つのステップ
ナチュラルガーデンを作るには、次のようなステップを踏むのがおすすめです。
- イメージ作りをする
- 自然な雰囲気の作り方を知る
- ナチュラルガーデン向きの植物を知る
順番に見ていきましょう。
イメージ作りをする
「自分はどんな雰囲気のナチュラルガーデンを作りたいだろうか?」と考えてみてください。特にガーデニング初心者の方にとっては、知識や技術云々よりも自分がどんな庭づくりをしたいか、イメージを明確にすることが大切です。
- ベンチやアーチなどのオブジェを配置する
- 植物を家の壁面に這わせる
- まるで自然の中にいるような雰囲気にする
など、可能であれば実際のお庭を見せてもらったり、ネットで写真を検索して、自分が理想とするナチュラルガーデンの姿をイメージしていきましょう。
自然な雰囲気の作り方を知る
ナチュラルガーデンは自然のままの植物の魅力を引き出すことがポイントですので、どうやったら自然な雰囲気が作れるのかを知っておくことは大切です。
自然の素材を使う
ナチュラルガーデンに似合うのは、アンティークレンガ、枕木、石など経年劣化する自然の素材です。花壇の縁取りや小道を敷く場合には、これらの素材を使うのがおすすめです。
数年経ったら岩に苔が生えていたり、レンガの隙間に落ちた種からハーブが育っている、なんて姿を想像してみるのもいいかもしれませんね。
色づかいと雑貨は控えめにする
自然の風景を思わせるような庭づくりのポイントは、素朴な雰囲気の花を選び、樹木や草と組み合わせることです。奇抜な色を取り入れすぎたり派手さを求めてしまうと、ナチュラルガーデンとしては上手くいきません。
日本でのナチュラルガーデンの作り方は、雑貨を飾ることが特徴となっています。しかし、飾りすぎて人工物が増えてしまうと、本来のナチュラルガーデンの姿からは遠のいてしまいますので、ほどほどにしましょう。
樹木は必ず植える
ナチュラルガーデンの作り方のコツは、自然の木陰を作る植物と草花を組み合わせて植えることです。作りたいのは「庭」ですから、花だけを植えて花壇づくりになってしまわないように注意しましょう。シンボルツリーのような高木に、バラやアジサイのような低木と数種類の植物を組み合わせると高低差の演出ができます。
樹木は常緑樹より落葉樹を選ぶなら、紅葉や落葉など季節の移り変わりを楽しむことができるのでおすすめです。
自分の庭の環境に合わせて植栽することも考慮に入れましょう。あなたの庭の日当たりや湿り具合はどうですか?環境をよく知った上で植物選びをすると、成長に大きな差が出ますよ。
ナチュラルガーデン向きの植物を知る
多年草・宿根草
ナチュラルガーデンには、植え替えの手間がかからない多年草・宿根草がおすすめです。日陰で育つタイプや冬に花が咲くタイプなどを組み合わせて、バリエーションの幅を持たせましょう。
【代表的な植物】
- ゼラニウム
- アメリカンブルー
- カンパニュラ
- バーベナ
- サクラソウ
- クリスマスローズ
- アネモネ
など
一年草
一年草は種類が多いので、好みに合わせて自由に選ぶことができます。開花の時期を考慮して、花が絶えない庭づくりを目指してみましょう。
【代表的な植物】
- マリーゴールド
- サルビア
- トレニア
- キンギョソウ
- コスモス
- ネモフィラ
- カスミソウ
など
ハーブ
ハーブは虫が嫌う香り成分を持つので、無農薬で育てるナチュラルガーデンにおすすめです。樹木の足元に植えることができます。
【代表的な植物】
- センテッドゼラニウム
- ペパーミント
- ラベンダー
- タイム
- セージ
- レモングラス
- ローズマリー
など
グランドカバープランツ
グランドカバープランツはナチュラルガーデンに欠かせない植物のひとつとして数えられます。高さがないので人の動線にあっても邪魔にならず、水やりや肥料やりの手間がかからないのもおすすめポイントです。枕木や飛び石の間などちょっとした隙間にも生やすことができますので、ナチュラル感を演出してみましょう。
【代表的な植物】
- タイム
- リシマキア
- クラピア
- シバザクラ
- アジュガ
- イオノプシジウム
- セダム
など
多肉植物
あまり水分を必要としない多肉植物は雨が降れば水やりもいらず、挿し葉で増やすこともできます。セダム類はグランドカバーとして利用することもできます。また、おしゃれアイテムとしても活躍しますので、ブリキ缶やリメイク缶、かごなどに入れて飾ることもできます。
【代表的な植物】
- 虹の玉
- ルビーネックレス
- グリーンローズ
- センペルビウム
- オーロラ
- カランコエ
- アデニウム
など
壁面やフェンスに這わせる
庭の広さが限られていたとしても、外構のフェンスや建物の壁面を活用してつる性の食物を育てれば、省スペースでもゴージャスに見せることができます。隣家との境や通路からの目隠しとしても活用できますね。
【代表的な植物】
- クレマチス
- ツルニチニチソウ
- スイートピー
- ハゴロモジャスミン
- モッコウバラ
- フウセンカズラ
- ノウゼンカズラ
など
シンボルツリーを選ぶ
シンボルツリーには、ナチュラルガーデニングの庭を引き締める役割があります。常緑樹は落葉しないため落ち葉の掃除の必要がありませんが、季節の移ろいを感じるのは、紅葉や落葉が楽しめる落葉樹です。
【代表的な植物】
- ヤマボウシ
- シマトネリコ
- ソヨゴ
- ジューンベリー
- アオダモ
- ヒメシャラ
- イロハモミジ
など
まとめ
ナチュラルガーデンを作るための3つのステップ
- どんな庭づくりをしたいか、イメージを明確にする
- 自然な雰囲気の作り方を知る
- ナチュラルガーデン向きの植物を知る
あなたのお庭をナチュラルガーデンに近づけるアイデア
- 石、木、レンガなど自然の素材を使う
- 派手な色使いを避け、素朴な雰囲気の草花を選ぶ
- 高木、低木、草花、グランドカバープランツを組み合わせ、高低差を出す
- 庭づくりは花壇づくりとは異なることを心得る
- 雑貨を使った演出は最小限に留める
