「肥料は何を買えばいいんだろう?」
初めて肥料を買う場合は特に疑問に感じる点ですね。
園芸店やホームセンターに行くと、たくさんの種類の肥料が売られています。
- 花と野菜の肥料
- 観葉植物を育てる肥料
- 鉢花・草花の肥料
といった感じです。
植物には水さえあげていれば育っていくようにも思えますが、健康に大きく育てるためには、しっかりと肥料を与える必要があります。
「肥料といっても、何が入っているんだろう?」
「いくつも種類があるけど、何が違うのかな?」
といった疑問が生じるかもしれません。
肥料のパッケージをよく見ると、
「8 – 8 – 8」とか「4:10:3」
という、数字表記が見つかります。
これが、その肥料に含まれている成分の割合(パーセント)を表しているんですね。
この並び順は決まっていて、左から順に
チッ素 - リン酸 - カリ
となります。
数字の大きい小さいが生じるのは、その肥料を「何の目的で使いたいか」に差が生じ、より多く栄養として与えたい成分が異なってくるからです。
この記事では、「肥料三要素」と呼ばれるそれぞれの成分を使う目的についてご紹介します。

「チッ素」は葉や茎を育てる

植物は葉っぱに光を受けて、光合成を行うことによって養分を作り出しています。
その光合成を行う葉っぱを元気に育ててくれるのが「チッ素」なんです。
葉っぱや茎が元気に育つと光合成もしっかり行えるようになり、植物の成長に必要な養分をしっかりと作れるようになりますね。
チッ素分が不足してしまうと、生育が悪くなり、葉っぱの色が薄く黄色っぽくなってしまいます。
チッ素成分をしっかりと与えたい時は、一番左の数字が大きな肥料を選ぶようにしましょう。
逆に与えすぎると、今度は「花や実が付きにくくなる」、「病害虫にかかりやすい」といった症状も見られるようになりますので、育ち具合を見ながら調整するといいですね。
「リン酸」は花・実の付きを良くする

植物を育てる楽しみの主なものは、「きれいな花を見る」、「実がなったら収穫する」ではないでしょうか?
花を元気に育てたり、実付きを良くするのを助けるのが「リン酸」です。
「葉っぱばかり出てきて、ちっとも花が咲かない!」
ということはありませんか?
うちはあります(笑)
花が咲かない原因のひとつには、剪定の時期を間違えて花芽を飛ばして(切って)しまっていることもありますが、正しく剪定できているのに花が咲かないというのであれば、「リン酸」をしっかり与えてみるのもいいかもしれません。
この場合は、他の数字より真ん中の数字が大きい肥料を選ぶようにします。
リン酸が不足すると花数が減少し、開花・結実が悪くなり、成熟も遅れるようになります。
通常の栽培ではリン酸過剰症は出にくいようですが、極端に与えすぎると、背丈が伸びないなどの生育不良が起きる場合もあります。
「カリ」は根っこを育てる

「カリ」は元素名で言うとカリウムです。
根を強化する働きがあるため「根肥(ねごえ)」とも呼ばれます。
根を強くすると病害虫や寒さに対する抵抗力がつき、植物全体が強くなるといった利点があります。
タンパクやデンプンの合成を促進し、糖の蓄積に役立つことから、とりわけ根菜類に有効な成分です。
カリが不足すると葉の縁が変色したり枯れるといった症状が見られるようになり、とくに古い葉から症状が現れます。
また、根の生育が悪くなり、根腐れも起きやすくなります。
カリの過剰症は起きにくいものの、極端に与えすぎるとカルシウムやマグネシウムの吸収が悪くなります。
数字はパーセントを表している
よくあるのが、「数字が重さを表している」という間違いです。
そうではなく、「数字は商品に含まれているパーセント」を表しています。
例えば「8:8:8」とあれば、10kgの袋に対して「チッ素:8パーセント(800グラム)」、「リン酸:8パーセント(800グラム)」、「カリ:8パーセント(800グラム)」といった具合です。
家庭で手軽に園芸を楽しむ分には、厳密に計算する必要はなく、「〇〇が一番多い」くらいでいいと思いますが、与える肥料を計算することができるアプリもあるみたいです。
肥料の成分を理解しよう!目的に応じた使い分けとは?まとめ
肥料三要素と呼ばれるチッ素、リン酸、カリの働きはおわかりいただけたでしょうか?
おさらいすると
- チッ素 – 葉や茎を育てる
- リン酸 – 花・実のつきを良くする
- カリ – 根っこを育てる
でしたね。
また、肥料のパッケージに記されている数字の並び順は決まっていて、左から順に「チッ素」、「リン酸」、「カリ」でした。
「数字はパーセントを表す」ということも参考にしていただき、必要な成分を多めに含む肥料を選ぶようにしてくださいね。
葉か花か、しっかり育てたいものに合わせて数字の大きい肥料を選び、お庭の植物を元気に育てていきましょう!
